設立趣旨書
BMSJ設立趣意書
我が国のみならず世界のあらゆる分野において大きなシステムの変革の潮流が押し寄せて来ている。もちろん企業環境もその例外ではない。企業環境の急激な変化に対応し得る新たなるビジネスマネジメントの研究、開発が強く迫られている。従来の企業に関する価値観のみでは対応できない時代が到来しているのである。
マクロ経済は、世界的デフレーションへと突入しつつあるように見える。マクロ経済活性の為の方策は全て使い切って打つ手が無くなってしまった感さえある。そのことは、マクロ経済に対する政策のみでは経済の活性化が達成される時代が終焉したことを意味しているのではないだろうか。経済の活性化の要因はミクロ経済にこそ問題の原点があると再認識しなければならない。経営の不安定な企業が多く存在すれば当然のこと、マクロ経済は成り立たない。マクロ経済はミクロの集積の結果であるから、そのミクロに対して本格的なメスを入れなければならないのである。ミクロに入れるメスこそ、ビジネスマネジメントの確立と普及である。
一方、マクロ経済に誘因されない強い企業経営の姿は無いのであろうか。現実に好景気で成長し、不況でさらに成長する企業も存在する。その、原因、要因は何であろうか。それは、企業環境の変化に対応でき得る企業の能力である。地球生物の歴史の中で、強いものが生き残ったのではない。環境に対応できる柔軟な能力、すなわち環境適応能力の有る種だけが生存してきたのである。企業もある意味では生命体と類似し、その条件は同一であろう。固定観念にとらわれず、新たな発想と新たな価値観に挑める、環境適応能力の有る企業経営を模索しなければならない。経営管理、経営計画、経営政策、経営分析、管理会計、財務会計、環境会計、経営情報、経営工学、経営法学、リスクマネジメント等を統括したビジネスマネジメントの存在こそがそれに他ならない。その為に、実践的で実務に真に役立つビジネスマネジメントの学問体系の確立こそが必要であろう。
私たちは、企業を活性化させ、環境適応能力のある企業を志向する為のビジネスマネジメントの必要性を強く認識し、ここに、新たなるビジネスマネジメントの学問体系確立の為に、本学会を設立するものである。
平成15年2月22日
日本ビジネス・マネジメント学会
発起人会一同